今月は年末であまりゆっくり読書できなかったけど、家にある昔に一度読んだ作品を中心に再読してました。
新作は年明け1月に一気に読んで紹介していきますのでお楽しみに。
ホワイトラビット
仙台の住宅街で発生した人質立てこもり事件。SITが出動するも、逃亡不可能な状況下、予想外の要求が炸裂する。息子への、妻への、娘への、オリオン座への(?)愛が交錯し、事態は思わぬ方向に転がっていく――。「白兎(しろうさぎ)事件」の全貌を知ることができるのはあなただけ!
最近の作品は良くも悪くもこの人らしさがあまりなくなっているように感じていたから、このホワイトラビットでこの人らしい世界観と鮮やかな伏線回収が見れて、面白いと同時に懐かしい感じになれた。
これもなかなか映像化は難しそうだけど、いつかやってほしい。
ハサミ男
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。
まず犯人が自分の模倣犯を追うという構図が斬新で面白いと感じた。
そしてもちろん模倣犯の正体や動機が明かされる最後は衝撃で、ミステリーとしても申し分ない作品。
クジラの彼
『元気ですか?浮上したら漁火がきれいだったので送ります』彼からの2ヶ月ぶりのメールはそれだけだった。聡子が出会った冬原は潜水艦乗り。いつ出かけてしまうか、いつ帰ってくるのかわからない。そんなクジラの彼とのレンアイには、いつも7つの海が横たわる…。
有川浩の自衛隊シリーズのその後を描いたスピンオフ作品。
登場人物のそれぞれの背景がわかる本編から読んだ方が楽しめると思うので、まだの人はこちらを参考に。
こころ
鎌倉の海岸で、学生だった私は一人の男性と出会った。不思議な魅力を持つその人は、“先生"と呼んで慕う私になかなか心を開いてくれず、謎のような言葉で惑わせる。やがてある日、私のもとに分厚い手紙が届いたとき、先生はもはやこの世の人ではなかった。遺された手紙から明らかになる先生の人生の悲劇――それは親友とともに一人の女性に恋をしたときから始まったのだった。
先月の「人間失格」に続いて、今度の文学作品として『こころ』を読んでみました。
内容以前に、作品自体の構図が面白くて、後半半分が”先生”の遺書となっている。
「人間失格」も同じように思ったが、どんな時代でも人生が狂ったり、壁にぶつかるのは「恋愛」や「金」ってことが多いなと思った。笑