ちゃんけーの読了記録【11月号】

今月から自身の記録用として、みなさんへのおすすめ小説の紹介として、毎月の読了した書籍を挙げていきます。

今月は今まで読んだことのない作家さんをチョイスして見ましたが、気づいたらミステリーばかりになってました。

眼球堂の殺人

 

周木律

天才建築家、驫木(とどろき)が、山奥に建てた巨大な私邸<眼球堂>。そこに招待された、各界の才能と謳われる著名人たちと、放浪の数学者十和田只人(とわだ・ただひと)。彼を追い、眼球堂へと赴いたルポライター陸奥藍子(むつ・あいこ)が見たものは、奇妙な建物、不穏な夕食会、狂気に取りつかれた驫木、そして実現不可能な変死体。一連の事件の「真実」を、十和田と藍子は「証明」することができるのか?

閉鎖空間で起こる殺人。ミステリーにおける定番の展開。だけど今回の閉鎖空間の舞台は『眼球堂』、文字通り眼球を模した建物というのはとても斬新でした。

今作はメフィスト賞受賞作にして「堂」シリーズ第一作ということなので他の話も読んでみようと思う。

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密室黄金時代の殺人 雪の館と六つのトリック

 

鴨崎暖炉

「密室の不解証明は、現場の不在証明と同等の価値がある」との判例により、現場が密室である限りは無罪であることが担保された日本では、密室殺人事件が激増していた。そんななか著名なミステリー作家が遺したホテル「雪白館」で、密室殺人が起きた。館に通じる唯一の橋が落とされ、孤立した状況で凶行が繰り返される。現場はいずれも密室、死体の傍らには奇妙なトランプが残されていて――。

第20回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作。

あらすじにある通り、密室が破られなければ無罪という設定がまず面白い。

たくさんの密室トリックの方法やその見破り方など、密室好きにはたまらない一冊。

地味に登場人物の名前が覚えやすくしてあるのは、読むのが苦手な人や初心者でも読みやすくてとてもいいと思う。

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ホテルピーベリー

 

近藤史恵

木崎淳平は仕事を辞めて、ハワイ島を訪れた。友人から勧められた日本人が経営するホテルは「リピーターを受け入れない」ことが特徴だという。淳平が表情豊かな島を満喫しようとした矢先、同宿者がホテルのプールで溺れ死ぬ事件が起こる。直後にはバイク事故でもう一人が...。

 

話のテンポがよく、一気読みできる一冊。

ただそれゆえにバックグラウンド的な部分に若干物足りなさを感じるところもあったというのが正直なところ。。

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レプリカたちの夜

 

一條次郎

動物のレプリカをつくる工場に勤める往本は、残業中の深夜、動くシロクマを目撃する。だが野生のシロクマは、とうに絶滅したはずだった。「シロクマを殺せ」と工場長に命じられた往本は、混沌と不条理の世界に迷い込む。選考委員の伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介から絶賛を浴びた、第二回新潮ミステリー大賞受賞作にして超問題作。

購入のきっかけは帯にあった伊坂幸太郎の「とにかくこの小説を世に出すべきだと思いました。ミステリーかどうか、そんなことはどうでもいいなあ、と感じるほど僕はこの作品を気に入っています」というメッセージ。

ミステリー大賞なのにミステリーかどうかはどうでもいいってどういうことかなと思い即購入。

読んでみて納得の世界観。伊坂幸太郎のオーデュボンの祈りを読んだ時と同じ感じでした。独特の世界観に予測不能の展開。

個人的に満足の一冊ですが、ミステリーと思うと好き嫌いがはっきり分かれると思うので覚悟して読むといいかも。

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人間失格

 

太宰治

東北の名家に生まれた容姿端麗・成績優秀な青年が自らの“生涯"を語る。「恥の多い生涯を送ってきました」——こぶしを固く握った子供、美貌の学生、表情のない白髪の混じりの男の三葉の奇怪な写真と共に渡された手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていた。他人の考えていることの見当がつかない気まずさをうめるため、無邪気さを装って周囲をあざむいた少年時代。高等学校進学のため上京したものの左翼思想に浸り、次々と女性に関わりを持つ姿。やがては酒と薬物に溺れていき……。

日本文学を代表する一冊だが、恥ずかしながら今までしっかりと読んだことがなかったので読んでみた。

太宰治の自伝かつ遺書ということで、そのリアリティさに圧倒された。

当時の価値観や倫理観、生活スタイルまでもが現在のそれとはかなり違う部分もあるはずだが、とても共感する部分が多かった。

今までこういう日本文学を読んでこなかったが、これを機に読んでみようと思う。

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読んだことあったかな?

-ミステリー